昨今では「自分で考える力」「創造的な考え方ができる力」が大切だと言われています。
というのもコンピューターの能力が著しい成長を続けており、機械的な働きは全て、文字通り機械に取って代わられることがほぼ確実だからです。
にも関わらず学校教育はこれまでと変わらず「みんな仲良く同じことを一定のペース」で教えています。
もちろん一切の知識がなければ考えることすらできないので、ある程度までは必要なことでしょう。
しかし、先生の言うことをしっかり守り、教えられた勉強をちゃんとしている、いわゆる成績のいい子ほど自分で考える力が低くなる傾向があります。
ずっと成績の良かった大学生が、卒業論文で何を書いていいか分からず途方に暮れるということは良くあります。
しかしコンピューターの性能がさらに伸びていき、専門的な仕事、創造的な仕事が必要とされるこれからの時代において、「自分で物事を考える力」「アイデアを生み出す力」が最も大切な能力になることはほぼ間違いありません。
ということで今回は「斬新なアイデアの思いつき方」について解説していきます!
また、この記事は外山滋比古さんの著作『思考の生理学』を参考に作成しています。
考えることが楽しくなる本なので、興味がある方は是非読んでみてください!
1.アイデアを寝かせる
「考える」というと、なにか新しいアイデアが浮かんでこないかと四六時中ひとつのことを思い続けるというイメージがありませんか?
確かにそれは正しいことで、何も頭を働かせていないのに突然答えが降ってくるということはありません。
しかし、考えに考えて行き詰ったときは一度考えを寝かせるといい方向に働くことが多いです。
というのも考え詰めている時というのは、視野が狭くなって思わぬ回答を見逃しがちだからです。
「見つめる鍋は煮立たない」ということわざがありますが、これは早く煮えないか、早く煮えないか、と鍋のフタをとって確認しているといつまで経っても煮えない。
転じて、あまりにも注意しすぎているとかえって良くないことになる、という意味のことわざです。
あなたも全く解決策が思いつかなかったのに、一度寝て次の日に考え直してみるとあっさり名案が思いついたという経験がありませんか?
このように凝り固まった視野をほぐすことによる効果は絶大です。
2.全く別分野の知識を入れる
新しいアイデアを思いつこうとするならひとつのことを深く掘るだけでなく、全く関係ない分野の知識を取り入れることも大切です。
なぜなら新しいアイデアのほとんどは「既存のアイデアの掛け合わせ」で生まれるからです。
一例を挙げると、アイデア商品として大注目されている『磁ケシ』という商品があります。
この商品は消しゴムなのですが、消しゴム部分に砂鉄が含まれているおかげで、消しゴムカバーの底にある磁石で消しカスを集められるのが大きな特徴です。
また、底のつまみを押すことによって集まった消しカスを収納でき、ゴミ箱の機能も果たすことができます。
こんなに画期的な商品も「消しゴム」と「磁石」と「ゴミ箱」という既存のアイデアの掛け合わせで成り立っているのです。
このように何も関係ないと思われるようなものが、何かの拍子で奇跡的な繋がりをみせることがあるのです。
3.思考の整理をする
そして最後に必要なことは、思考の整理をして今まで蓄えた情報から余分なものを削っていくことです。
「知識はあればあるほどいい」と思っている人は多いですし、実際、学校教育というのは正にこれです。
知識をひたすら詰め込むことが善であり、忘れることは悪だと教える。
そして時々忘れていないかをチェックするためにテストがあります。
しかしこのように頭脳を倉庫に見立てて、そこに知識を詰め込んでいく作業はそれこそコンピューターに適いませんし、新しいアイデアはそれでは思いつきません。
なぜならほぼ全てのことは表裏一体であって、どの側面から見ているかによって表情は変わります。
そんな状況であらゆる情報を吟味すると、かえって結論が出せなくなるからです。
必要じゃない情報は捨てていくことが大切なのです。
「じゃあどうやったら思考の整理ができるの?」
ということですが、オススメの方法は散歩をしたりスポーツをしたりして身体を動かすことです。
運動をすると血の巡りが良くなって頭もスッキリします。
すると大切に思っていないことはあまり気にならなくなります。
身体を動かすとポジティブな気持ちになりやすいのは、これもひとつの要因でしょう。
そして残った大切に思っていることを吟味して繋げていくことで、ひとつの思考の結晶が創り上げられていくのです。
コンピューターの容量がパンパンになると動作が重くなるのと同様、人間の脳も軽くしてこそ新たな動きに繋げられるのです!
何かあれば
までどうぞ!