子どもに
「ちゃんと自立した大人になってほしい」
「自分で考えられる子に育ってほしい」
と思っている親は沢山います。
しかしそう思っていながら、子どもが自分のイメージ通りに動いてくれた時だけ褒める、もしくは思う通りに動かなかったら叱っていませんか?
親が子どもをどのように褒めたり、叱るかによって親子関係や育ち方が大きく変わってきます。
そのような接し方をしてしまうと、親の顔色を窺って他人から認められることを行動原理としてしまうようになり、子どもの可能性を狭めてしまいかねません。
ということで今回は、自分で考えて行動できる子に育つための上手な褒め方と叱り方について解説していきます!
また、この記事は島村華子さんの著作『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』を元に作成しています!
もっと詳しく解説されているので興味がある方は是非読んでみてください!
1.褒めるときの3つのポイント
褒めるときは以下の3つのポイントを意識してください。
(1).成果よりもプロセスを褒める
子どもを褒める際に大切なことは性格や能力を褒めるのではなく、取り組んでいる過程での努力や姿勢について励ましてあげることです。
例えばテストでいい点を取った時は「こんな点数取れてすごいね!」と褒めるのではなく、「こんな点数を取れるまで頑張ったんだね!」という風に言ってあげるのです。
これによって子どもは次も頑張ろうと思えますし、もし結果がついてこなかったとしても自分が悪いのではなく、自分の取り組み方が悪かったのだと考えることができます。
これがもし結果だけを褒めているようだと、悪い結果になった時に「この程度もできない自分はダメだ」と自分の存在自体を否定をしてしまう危険性が高くなってしまいます。
(2).具体的に褒める
これは社会人の新人教育でも同じことが言われていますよね。
雑に「すごいね!」と褒めるより細かい点を詳しく褒めてあげた方が、どこが優れているのか、逆にどこをもっと良くするべきかを子ども自身が理解しやすくなります。
例えば子どもが絵を描いたとしたら、「色んな色を使えてカラフルだね」「このゾウさんの模様が細かくて本物みたいだね」のように詳しく褒めてあげましょう!
するとその子は、次に絵を描くときはもっと工夫を凝らして描こうと思うことでしょう。
(3).もっと質問をする
最後は少し難しい褒め方になりますが、質問をしてあげることです。
そして質問の内容は「はい」か「いいえ」で答えられるような簡単な質問じゃないことが大切です。
例えば先ほどの例と同じく、子どもが絵を描いてきたとします。
その場合に「なんでこの絵を描こうと思ったのか教えてくれる?」だったり、「一番頑張ったところはどこなの?」という風に質問をしてあげましょう。
すると子どもは自分なりに一生懸命に考えて答えようとするでしょう。
その際に重要なのが親はそれに対して誘導することや、模範解答を期待、指摘しないことです。
というのも大切なことは子どもがどう考えたかであって、親がどう考えるかではないからです。
子どもが自分なりに必死に考えることが、その子の思考能力や言語能力、発想力を鍛えることに繋がります。
2.叱るときの4つのポイント
叱る時は以下の4つのポイントを意識してください。
(1).「ダメ!」「違う!」をできるだけ使わない
道路に飛び出してしまったり、本当に緊急な時はしょうがないことですが、そうでないなら「ダメ!」や「違う!」などの強い否定はしない方がいいでしょう。
というのもそういった否定の言葉を浴びせられ続けると、脳が戦闘モードに入りフラストレーションが爆発しやすい状態になってしまうからです。
なので注意するときは「○○したかったんだね」「その気持ちは分かるよ」と、肯定の言葉から入るのがポイント。
そしてその後に「じゃあ終わったら一緒に片付けようね」などしてほしいことを告げるといいでしょう。
(2).結果ではなく、過程やプロセスを注意する
これは褒める時のポイントでもちらっと触れましたが、叱る時もその子が悪かったと言うんじゃなくて、その子のプロセスが良くなかったという言い方をしてあげましょう。
子どもは能力を否定されると、自分には力が足りないからどうせできないという無力感を覚えてしまい、次は成功しようという意欲をなくしてしまうようになります。
なので子どもの背中を押したいのなら、「じゃあ次は良くなるためにどういうやり方をしたらいいかな?」という風に声をかけてあげることが大切です!
(3).良くない理由を説明する
これは褒める時のポイントで挙げた「詳しく説明する」に似ています。
確かに良くないことを「ダメ!」と叱り、罰を与える方法でも子どもはその行動をやめるでしょう。
しかし本当に重要なことはやめさせることではなく、子ども自身が「なぜそれがダメのか?」に気づき、他者を思いやったり、先のことを考えられるようになることです。
そうじゃないとまた同じような行動をしてしまいます。
なので子どもが自分の行動を振り返られるように、「○○だからやらないようにしようね」という風な声かけをしてあげましょう。
(4).親の気持ちを正直に伝える
子どもは意外に親の気持ちに気づくもので、「あなたのことを思って」と言ったとしても、「本当は自分のためなくせに」と感づいてしまいます。
そして親に対する不信感を持ったり、関係がギクシャクしてしまうこともあります。
なのでそうならないように「○○してくれないとママはすごい悲しい気持ちになるな」と、自分の気持ちを正直に伝えることが大切です。
親自身が自分の気持ちを正直に言うことは、子どもが相手の感情を思いやるきっかけになって、円滑な人間関係を築く力が身につくとも言われています。
また、これは叱る時だけじゃなく、ポジティブな気持ちも共有するといいでしょう!
3.親自身が幸せであることが大切
ここまで褒める時の3つのポイントと、叱る時の4つのポイントを解説してきましたが、実は最も大切なことは親自身が幸せであることです。
というのも親自身が幸せでなければ、そもそもこれらのポイントを意識して接することは難しいでしょうし、そのストレスが子どもにも伝わってネガティブな影響が出てしまうことが分かっているからです。
そして幸せでいるために重要なことは自分はダメな親だと思わないことです。
共働きの場合、父親に比べて母親の方が自分の仕事が家庭や子どもに与える影響について罪悪感を覚える確率が高いという研究結果もあるので、特に女性の方は気を病まないようにしてください。
世の中には、やれ「親はこうするべき」「こんな親は失格だ」などの意見が飛び交っていて、さも親は完璧でなければいけないというような風潮があります。
ですが親だって当たり前ですが人間なので、完璧である必要はないですし、そもそも完璧にはなれません。
というか仕事もして最低限の育児、家事もやるというだけでもとても大変なことで、それだけで称賛されるべきことです。
なので今回挙げたポイントも「できる範囲」で構いません。
無理してストレスを溜めてしまうのであれば、かえって悪い結果になりかねません。
自分にできることを出来る範囲でやる、これいいなと思ったことをやってみる、我が子を沢山愛してあげる、そして家族みんなが幸せでいる。
そんなマイペースなぐらいが丁度いいのだと思います!
何かあれば
までどうぞ!