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【ネタバレなし】意思表示できない人間はどうなるのか? 古市憲寿最新作!『奈落』

 

「この場所から抜け出したい。ねぇ海くん、このささやかな期待さえも傲慢なのかな。今の私はもう赤の他人に希望を託すしかない。」

 

 

 

テレビでもよく見る古市憲寿さんの3冊目の小説『奈落』読みました!

 

 
 
全身不随の体になったことにより、一切の意思表示をできなくなった主人公の話は最近読んだ小説の中で最も悲しい話でした。
自分の身に降りかからないとも限らず、終始「自分だったらどう思うだろう?」と考えながら、一気に読み進めました!
 
ということで、今回は『奈落』の特徴的な点と、どんな人にオススメかを書いていきます!
 
 
 

 

1.作品紹介

2.どんな人にオススメ?

3.特徴的な点

4.まとめ

 

 

 

 

1.作品紹介

 

これ以上の怖ろしさが、この世にあるだろうか。

 

17年前の夏、人気絶頂のミュージシャン・香織はステージから落ち、すべてを失った。残ったのは、どこも動かない身体と鮮明な意識、そして大嫌いな家族だけ。それでも彼女を生かすのは、壮絶な怒りか、光のような記憶か、溢れ出る音楽か――。生の根源と家族の在り方を問い、苛烈な孤独の底から見上げる景色を描き切った飛翔作。

 引用元:https://www.shinchosha.co.jp/book/352692/

 

 

 

 

2.どんな人にオススメ?

 

 これはズバリ「よく喋る人、変わった小説を読みたい方」ですね!

 

この小説は意思表示できないことの「絶望」を感じるのが醍醐味の作品だと思っています。

となれば、その絶望を最高に感じられる人は、普段よく喋り、自分の考えを周りに発信している人でしょう!

そんな人にこの小説を読んで、とても悲しい気持ちになってもらえればと思います!(笑)

 

また、この小説の主人公は自分の考えを整理したり、心の中で他人の言葉に反論することはあれど、一切他人と会話をすることはありません。

そんな小説を読んだことがなかったので、僕自身凄い新鮮な気持ちで読むことが出来ました。

なので、一風変わった小説が読みたいという方にもオススメですね!

 

それとは逆に、楽しい物語が読みたいという方にはオススメできないです!

 

 

 

 

3.特徴的な点

 

・主人公が一切会話をしない 

 

前述しましたが、これがこの小説の最大の特徴ですね!

 

著者の古市憲寿さんは、一切の意思疎通ができなくなったら人はどうするのかということを数年考えていたと語っており、これが表現したかったことなのだろうと思います。

 

自分の意志を伝えられないことのもどかしさ、自分の考えを勝手に曲解して代弁される苦しさ、それでも希望を捨てられないでいる切なさ。

 

読んでいて本当に胸が苦しくなります。

そして、こんな小説があるのかと。

主人公が一切周りに影響を与えなくても進んでいく物語があるのかと驚きました。

 

 

 

・衝撃のラスト

 

月並みな表現になってしまいますが、ラストが衝撃です。

 

ネタバレなしなので詳しくは書きませんが、かなり振り切れた最後となっています。

読んでいて悲しくなり、苦しくなり...。

では最後はどうなるのか?

 

是非読んで確認していただければと思います!

 

 

 

・古市さんらしい皮肉の数々

 

古市さんと言えば、僕は皮肉屋と言う印象があります。

本書にもその皮肉が随所に散りばめられています。

 

例えば、散財してしまう姉と母に対して

「金遣いは荒いくせに保守的な人々。彼らは最も資産を残せない。」

だとか、姉がグッチのTシャツを着て襟から首の肉がだらしなくはみ出している様子を見て

「世界一不幸なグッチ」

とか、至る所に「古市節」が炸裂しています。

 

僕自身、ブラックジョークが好きなのでその皮肉に笑っていましたね!

基本的に暗い物語が続きますが、この皮肉があったおかげでマイルドになっているというような印象を受けました!

 

 

 

 

4.まとめ

 

今回は古市憲寿さんの最新作である『奈落』の紹介をしました。

 

久しぶりに、ずっしりと心にくる物語を読んだ気がします。

間違いなくこの小説は読んで良かったと思いました!

 

気になった方は読んでみて下さい!

 

 

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