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【ネタバレなし】なぜ彼女は噓をつくのか? 嘘の中に隠れる真実とは? 『わたしがわたしであるために』

 

「つつましさと寡黙が善と教えられてきた者たちへ

我が心の内に眠る邪悪な葛藤とまぶしい激情を捧げる」

 

 

 

NYタイムズ・ベストセラー作家であるE・ロックハート著の『わたしがわたしであるために』読みました!

 

 
ウソだらけの本編とは裏腹に、帯の
全体像が見えた瞬間、ディテールのことごとくがまぶしく輝きだす。
というコピーに偽りなしでした。
 
読み進めていくにつれ、二転三転する物語に
「あー、そういうことか。」
と何度も唸りました。
 
ということで、今回は『わたしがわたしであるために』の特徴的な点と、どんな人にオススメかを紹介していきます!
 
 
 

 目次

1.作品紹介

2.どんな人にオススメ?

3.特徴的な点

4.まとめ

 

 

 

 

1.作品紹介

 

世界25カ国で翻訳化。NYタイムズ・ベストセラー作家の注目作! 新時代のサイコスリラー誕生! !  ◆STORY主人公は新時代の女性ヒーローを自認する18歳のジュール。ゴージャスな服の下に鍛え抜かれた筋肉を隠し、悪い男を成敗することに命をかけている。しかし、数日前、数週間前、数か月前……と、ジュールの過去をさかのぼっていくと、生い立ちから始まって現在の生活に至るまで、次々と〈嘘〉が見えてくる。根っからの頭の良さに加えて、得意のマーシャルアーツと変幻自在な言葉の訛りを武器に、殺人もいとわず身元を偽り続ける彼女は、いったい何者か――?どこまでが真実で、どこまでが嘘か。巧みな構成で、最後の最後まで明かされない謎、そして誰も予想しえない結末のどんでん返し。アイデンティティ・セフト(身元詐欺)という犯罪を通じて、主人公は、"本物の偽物"になる――

 引用元:https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033939363&Rec_id=3004&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 

 

 

 

2.どんな人にオススメ?

 

これはズバリ、 「上昇志向が高い人、さらに言うと女性」ですね。

 

これは、「主人公のジュールに感情移入できるかどうか」がこの小説を面白く感じるかどうかを大きく左右するからです。

 

主人公のジュールは賢く、強く、上昇志向がある一方、脆さやプライドの高さなど生きていく上でのある種の弱点も抱えています。

 

このような人は、様々な人の考えを見聞きできるようになった現代、どんどん増えているように思います。

中でも、「フェミニスト」という言葉をよく聞くようになったように、女性が目立っている印象があります。

 

そんな人こそ、ジュールに感情移入でき、自分が抱える葛藤や苦しさ、願望を彼女に託すことが出来ると思います!

まあ、単純にミステリーとしても面白いのは確かですけどね。

 

ただ、この小説の本質は「なぜジュールは嘘をつくのか?こんな嘘をつくのはどういった心境からか?」であると僕は感じました。

 

 

 

 

 

3.特徴的な点

 

・最低でも2度は読み返したくなる仕掛け

 

この小説は章を追うごとに、過去へ過去へと進んでいきます。

なので、途中から段々と物語の全容が見えていきます。

最初は理解できない所も、2週目に逆から読むことで分かることもあります。

この仕掛けが上手で「なるほどなー」と思わされました。

 

ただ、最初から逆に読むことはオススメしません!

それでは段々と理解していくカタルシスを味わえないと思うので!

 

 

 

・今の時代に読むべき小説

 

これは前述しましたが、「主人公ジュールのような考え方が世界に浸透してきたから」です。

 

ひと昔前は、女性は付き従う人であり、空気を読む人であり、つつましくある人であるという考え方が主流でした。

しかし、現代はそうではありません。

強い意志を持ち、自分が人生の主役であるという考えを持つ人も多くなっています。

 

そんな現代だからこそ、この小説は単に「主人公のジュールってうっとうしい人だよね。」とはならず、「ジュールの気持ちも分かるよな。」と受け入れられるのだろうと感じます。

逆に、昔を生きてきた年配の方に見てもらいたい小説でもあります!

 

 

 

 ・二転三転する前提

 

これはこの小説の大きな特徴です。

 

普通のミステリーは序盤で主人公や事件など、重要な事柄についての前提の情報が提示されます。

そこから事件を解決に導いていく過程が描かれていくのが、よくあるパターンだと思います。

 

この小説ではその前提の情報がコロコロ変わっていくので、

「あれ?どれが本当?この人は善良な人?あれ?」

となって、まさにミステリー。

頭を悩ませることになります。

 

だからと言って滅茶苦茶な話ではなく、「全体像が見えた瞬間、ディテールのことごとくが輝きだす。」という帯の言葉の通り、それまで二転三転していた物語がバチッと1本の道につながります。

 

確かに謎を追っていくという意味では、ミステリーというジャンルで間違いありませんが、普通のミステリー小説とはその質が異なっているような印象を受けました。

普段ミステリー小説をよく読むという方も、一味違った体験をするのではないかと思いますね!

 

 

 

 

 

4.まとめ

 

今回は『わたしがわたしであるために』について紹介してきました。

 

海外の小説ということもあり、環境の描写やユーモアを交えた会話、雰囲気などが国内の小説とは違います。

それも相まって、終始新鮮な気持ちで読み進めることが出来ました。

 

気になった方は読んでみて下さい!

 

 

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