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自分と周りどちらが正しいのか?

 

「周りはああ言っているけど自分はそう思わない」

「自分は自分の判断を信じる」

 

そう信じて自分の可能性に賭けてみる。

しかしその考えが真面目であればあるほど同時に

 

「いや、でも客観的に考えて本当にそれが正しいのだろうか?」

 

そう考えてしまうものです。

だからこそ「迷った時に答えが分かったらなー」と思うのも当然のことと言えます。

 

それは現代を生きる僕たち特有の悩みではありません。

過去にもそう考えて実際に研究した人がいるのです。

 

ということで今回は「自分の考えと周りの考えのどちらが正しいのか?」について解説していきます!

答えを出すためのヒントになれば幸いです。

 

また、この記事はレン・フィッシャーさんの著作『群れはなぜ同じ方向を目指すのか?』を参考に作成しています。

興味がある方は是非読んでみてください!

 

 

 

 

 

 

1.「みんなの意見」は大体正しい

 

最初に結論から言うと「周りの意見」が正しいことがほとんどです。

 

というのも何らかの値を求めるという問題の場合、それについて出された全ての答えの平均を取ることがほぼ最善の策になるということが分かっているからです。

 

また、いくつかの選択肢の中から正解を選ぶ問題の場合にも多数決が有利になることが分かっています。

 

ただそうなるためには3つの条件があります。

 

・集団内の各人は自ら進んで考え、様々な独立した結論にたどり着かなければならない

・問題には明確な答えがあり、最終的には現実と照合できなければならない

・集団内の全員が同じ問題に答えなければいけない(当然のことに思えるかもしれませんが、「同じ問題」だと思っていても解釈が人によって違う場合は多い)

 

つまり明確な答えがある問いにそれぞれが自分の答えを導き出せる集団は、その答えを平均すると限りなく正解に近づくということです。

 

 

2.重要なのは違っていること

 

ではそれが実際に合っているのかを見ていきましょう。

まずは平均を取る問題について。

 

統計学の草分けとなったフランシス・ゴルドンは1908年、西イングランド食用家畜博覧会を訪れた際にある実験を行いました。

 

それは約800人を対象に巨大な牛を処理した後の肉の重さをそれぞれ答えてもらうというものです。

 

その結果、参加者の予想の幅は487㎏から586㎏まであり、中央値は547㎏であることが分かりました。

 

では実際の値はどうだったのか?

その答えは543㎏で、なんと誤差は1パーセント以下だったのです。

 

長年の間これに似た実験が多数行われましたが、どれも同じような結果が得られています。

ではなぜこうなるのでしょうか?

 

それは参加者がみんなそれぞれ「違う答え」を出したからです。

原理的にどういうことなのかを説明します。

 

例えば間違った答えがたった2つしかない場合はその答えを平均しても正解にならないこともあります。

 

しかしその数が多くなればなるほど、平均を取った場合にほとんどのずれが相殺され、その結果真の値に極めて近くなるということです。

 

これについて複雑性の理論家であるスコット・ペイジは

 

違いがあることは優れていることと同じくらい重要だ

 

と述べています。

 

ただここで言っておかなければいけないことは、集団は個人のほとんどを上回るのであって必ずしも全員を上回るわけではないということ。

 

例えば整備士、詩人、気象学者の3人でドライブをしている時にエンジンが故障した場合は、3人の平均を取るよりも整備士に相談した方がいい場合が多いのです。

 

ですがその場合でも整備士がどれほどの腕なのか、そして他の二人がどれほど車のエンジンに精通しているかによっては、専門職である整備士を超えることもあります。

 

 

3.多数決の正確性

 

次は多数決の場合について考えてみましょう。

 

マイケル・モーブッサンはコロンビア・ビジネス・スクールの学生たちに毎年、アカデミー賞の12の部門を誰が受賞するかを投票させました。

 

例えば2007年の場合で言えば、学生個人の正解数の平均は12部門中5部門でした。

それに対して集団全体の多数派を答えとして見た場合は、正解数が12部門中11部門と跳ね上がったのです。

 

さらにこれは先ほどと違って専門家がいればそれに頼った方がいいとは言えないかもしれません。

 

なぜなら「クイズ$ミリオネア」の基になったイギリスのテレビ番組「百万長者になりたい人は?」では、専門家に相談する「エキスパート」の正答率が66%だったのに対して、観客に助けを求める「オーディエンス」の正答率はなんと90%だったからです。

 

なぜこうなったかは考えてみるとすぐ分かります。

 

例えばA,B,C,Dの4つの選択肢がある問題を100人に尋ねたとします。

 

その中で答えがBだと知っている人が10人いるとした場合、残りの90人は単純に平均するとそれぞれに22.5票、つまり2つの選択肢に22票、残りの2つに23票入ることになります。

 

この時もしBが仮に22票だったとしてもそれに+10されるので、結果Bが32票で多数派が正解となるわけです。

 

また、正解を知らないまでも「少なくともAは違う」「Cが違うことだけは分かる」など、ちょっとした手掛かりを持っている人もいることを考えると、さらに正解の票数は増えることになります。

 

 

4.自分の頭で考えるから周りの意見は正しくなる

 

ここまで聞くと「なるほど、多数決の場合も平均を取る場合も多数派の意見が正しいんだね」と思うかもしれませんが、ここにはひとつ落とし穴があります。

 

それは偏りがあってはいけないということです。

 

例えば先ほどの四択問題で言えば、仮に10人が正解を知っていようと不正解のAに60票も入った場合はどうにもなりません。

 

大切なことはこの偏りをなくすことなのです。

偏りをなくせば「周りの意見」の信頼性はグッと増えます。

 

現実ではどのような場合に偏りが起きやすいでしょうか?

 

ざっと考えるなら他人から聞いた話を鵜呑みにしたり、同調圧力をかけられる場合などでしょうか。

 

そのような傾向の人が多い場合、答えを総合しても正しくなるとは言えません。

 

ここまで読んで「アレ?」と思った方もいるかもしれません。

そうなのです。

 

逆説的ですが、周りの意見は周りに頼らずに自分の頭で考える人が多くなればなるほどに信頼性が増すのです。

 

なので誰かに相談したり、アドバイスをもらうときなどは自立した人が多い集団に話を聞くか、もしくは何人かに1対1で聞いて、それを総合するのがオススメです。

 

ただ、重ねて言いますがあくまで正解なことがほとんどであって絶対ではありません。

「あなたの言った通りにしたのにダメだった」

と相談した人に逆ギレをするのはやめておきましょう!

 

 

 

 

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