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他人の気持ちは分からないという人ほど、実は人間関係がうまくいくという話

 

 

あなたは人間関係でトラブルを起こしがちでしょうか?

もしそうだとしたら、それはあなたが

 

相手の気持ちを分かると思ってしまっている人

 

だからかもしれません。

 

 

今回は、「他人の気持ちなんて分からないと思っている人」の方が、人間関係を円滑に進めていける理由を、一つの思考実験を元に説明していきたいと思います。

 

少しでもあなたの人生のヒントになれば幸いです。

 

 

 

 

 

 目次

1.便器のクモ

2.他人の気持ちは分からない

3.理解しているという驕りが相手を雑に扱ってしまう

4.まとめ

 

 

 

 

 

1.便器のクモ

 

 

ある年の夏休み、タロウは補習のために登校すると、学校のトイレの便器の中に1匹のクモを見つけました。

翌日も、タロウは同じ便器の中に多分同じクモだろうと思われるクモを見つけました。

 

 

「このクモ、こんなところに住んでいるの?全然幸せに見えないよ。こんなところにいるのはかわいそうだな。」

そう思ったタロウはクモを外に出そうとしましたが、誤ってクモを殺してしまいました。

 

 

タロウはよかれと思ってクモを助けようとしたのです。

100%善意による行動です。

しかし、タロウの思うようにはなりませんでした。

結局クモは死んでしまったのです。

 

 

はたして、便器の中のクモはかわいそうだったのでしょうか?

クモは外に出してもらったほうが幸せだったのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

2.他人の気持ちは分からない

 

 

この「便器のクモ」は、アメリカの哲学者、トマス・ネーゲルによる思考実験です。

 

 

タロウは、クモが幸せに見えなかったことから、クモを便器から外に出し、助け出してあげようとしました。

タロウにとって便器は汚い場所であり、休める場所ではありませんでした。

 

 

タロウはクモに自分を重ねて想像した結果、クモが「便器の中にいる」ことを「不幸である」と結論付けました。

しかし、相手は人ではなくクモです。

クモにとっては、ふかふかの布団より、便器の方が休めるのかもしれません。

 

 

自分にとっては不幸な事でも、相手にとってはそうでないのかもしれないのです。

これはクモではなく、人に対しても言えます。

 

 

例えば、Aさんの幸せは、自分の夢を叶えて成功する事でした。

Bさんの幸せは、質素でもいいから好きな人と一生一緒に過ごす事でした。

 

 

AさんがBさんに対して

「そんなんじゃあ駄目だよ。もっと目標を持たないと。」

とアドバイスしたところで、Bさんは成功など求めていません。

 

 

逆に、BさんがAさんに対して

「あなたも夢を追うんじゃなくて、現実を見たほうがいいよ。

誰かいい人見つけて結婚した方が幸せだし、親も喜ぶんじゃない?」

とアドバイスしたところで、Aさんは結婚よりも成功を求めているので的外れなアドバイスになってしまいます。

 

 

AさんもBさんも、自分の幸福観に嘘はついていませんし、そのためのアドバイスをしています。

しかし、それはお互いにとって良いアドバイスになっていません。

 

 

このように、人はそれぞれの価値観をもっているため、他人の気持ちを知るのは容易な事ではありません。

仮に、言葉を使ってコミュニケーションを図ったとしても、それが本心なのか、気を使った言葉なのかも気が付かないものなのです。

 

 

 

 

 

3.理解しているという驕りが相手を雑に扱ってしまう

 

 

そもそもなぜこのような事が起こってしまうのでしょうか?

それは、「自分の気持ちを相手は分かってくれる。」、「自分がこうなんだから相手もこうだろう。」という相手を理解できるという考えからきています。

想像してみてください。

 

 

もしあなたが、今自由につかえる時間があったとします。

その自由な時間を使いあなたは、ずっと見たかった映画を見ようとしました。

 

 

すると、あなたのお母さんが、

「暇な時間があるなら勉強した方がいいよ!もうすぐテストもあるし!」

と言ってきました。

 

 

あなたはお母さんの話に対して、一理あると思いながらも、

「今は映画が見たい気分なんだ。後で勉強するから大丈夫だよ!」

と言いました。

 

 

それに対してお母さんは、

「いや、映画はテスト終わった後でも見れるよ!テストはもうすぐなんだよ!あなたのためを思って言っているのよ!」

と言われました。

 

 

どうでしょう、似たような経験があるのではないでしょうか?

相手の言い分も分かりますが、「うるさいなあ」と思ったことでしょう。

 

 

この例のお母さんの言い分は善意からくるもので、それは自分の子のためを思った行動です。

しかしそれは、自分の正義を相手に押し付ける行為であり、あなたの気持ちは大して考えていません。

 

 

もしこれが他人の子供ならこんな言い方はしないでしょう。

あなたが自分の子供だからこそ、長年付き合った関係だからこそ、雑な対応でも許されると無意識に思ってしまうのです。

 

 

だからこそ、「相手の事を理解できていない」と思っている人の方が、気を付けて行動することが多く、人間関係でトラブルになりにくいのです。

逆に、「他人を理解できる」と思ってしまっている人の方が、他人の問題にグイグイと首を突っ込み、相手の気分を害してしまっている可能性が高いと言えるのです。

 

 

もし、あなたが人間関係でトラブルを抱えがちなら、あなたも知らず知らずのうちにそうなってしまっているのかもしれません。

 

 

 

 

 

4.まとめ

 

 

今回は、人間関係がうまくいくための方法として、他人を理解できていないと考える事の大切さを書きました。

 

 

人間関係でのトラブルの多くの理由は、おせっかいを焼き過ぎる等、他人の問題に干渉し過ぎてしまう事です。

相手を思う気持ちは、とても尊く、素敵なことです。

しかし、それが本当に「相手の望んでいることなのか?」を見つめなおす必要があるのかもしれません。

 

 

 

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