ここに描かれているのは「優しさ」です
あなたはこの作品を知っているでしょうか?
この作品は、東京大学医学部の脳研究者である池谷裕二さんと、『ヴェノム』や『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などを手がけたコンセプトアーティストである田島光二さんが制作した絵本です。
キャッチコピーの
「この本には答えがあります。」
のとおり、人生の意味を訴える作品となっています。
今回は、人生の素晴らしさについて教えてくれるこの作品を紹介しようと思います。
この作品の素晴らしさと共に、あなたの人生にも大きな価値があるという事を伝えられたら幸いです。
目次
1.あらすじ
2.世界は秩序の集合体
3.生きているだけで素晴らしい
4.まとめ
1.あらすじ
主人公は小学生の男の子。
ある日、その男の子はカッターで指をケガしてしまいます。
なので男の子は保健室に行って治療してもらいます。
その時、少年に一つの疑問が浮かびます。
「どうして、けがをした指は自然にもとにもどるんだろう?
割れた石ころは、もとにもどらないのに。」
その疑問に大して、少年は昔聞いたことを思い出します。
「そういえば、ぼくのからだをつくる細胞は100日でほとんど入れ替わってしまうらしい。だから、傷も治るんだろう。
でも、やっぱり不思議。
からだの中身は入れ替わっても、ぼくはぼくのままでずっと変わらない。」
そう思った少年に、天の声なのか保健室の先生の声なのか自問自答の声なのか分かりませんが声が聞こえます。
「それを、秩序というのです。」
「物質が入れ替わっても、からだが秩序を保っているから、形も中身も、元のままでいられるのです。
でも、秩序を持たない石ころは壊れたら、壊れたままです。
世の中のすべてのものはだんだんと壊れて、形を失っていく。
それが、この世の中の、宇宙全体の約束です。
そして、宇宙全体の秩序も消えてなくなっていくのです。」
その声を聴いた少年は思います。
「なんのために秩序はあるんだろう?
秩序って、なんだろう?」
それに対してまた声が聞こえます。
「秩序は、たとえば、渦のこと。
水をためた洗面台の栓を抜くと、渦ができるでしょう。
渦の形は水がなくなるまでずっと変わらない。
渦をつくる水は、どんどん入れ替わる。
でも、渦は形は保たれている。
渦は秩序をを保っている。」
ぼくたちのからだは、物質の渦。
秩序がどんどん消えていく宇宙の約束のなかで、ほのかにともった小さな秩序であると少年は思いました。
そこで少年は思いました。
「栓を抜くと水はなくなる。
上から下へ流れる事が水にとって秩序が消えていくということだ。
秩序がなくなっていくはずの水の流れのなかで、渦という秩序が生まれるのはなぜだろう?
渦なんてできなくてもいいのに。」
そこで、少年は実際に試してみました。
洗面所で栓を抜いて出来る渦を手で壊してみました。
すると、水がなかなか落ちていかないことに気づきます。
「渦があるほうが、水がすばやく落ちるんだ。
渦は水が流れるのを助けていたのか!」
これらの話から、少年は自分という小さな秩序は、宇宙全体から秩序が消えるのを助けているのだという答えを導き出します。
僕たちみんな生きる事で宇宙から秩序がなくなっていくのを助けているのだと。
その時、少年は宇宙と一つになる感覚を覚えます。
「それが生きるということなんだ。
僕の体はビッグバンからつながっているんだ。
息をしていることも心臓が脈を打っていることも。」
そうして少年は一つの答えを導き出すのでした。
「だから生きなくては。」
2.世界は秩序の集合体
これを読んでまず思ったことは
少年賢過ぎないか!?
でしたね(笑)
大人の僕でもそんなこと考えられないのに...
いや、むしろ子供だからこそ考えられたんでしょうか。
まあ、そんな話は置いといて!
この世界は秩序であふれています。
つまり、ルールの塊で世界は作られています。
自然現象にも理由がありますし、生き物にもDNAというあらかじめ決められたルールのようなものがあります。
僕たち人間も例外ではありません。
僕たちは、大きな流れの一環の中にいるのでしょう。
3.生きているだけで素晴らしい
作者の池谷裕二さん曰く、
「『私』という生命現象が存在する理由は明らかです。
私はエネルギーを散逸させる必然の構造である。
だから生きているというだけで、もう健全な役目をはたしています。
無駄な人間なんてひとりもいません。
誰もがみんな役に立っています。
そして、人によって価値に差はありません。
誰もが等しく宇宙に役立っています。」
と語っており、東大の教授という事もあり、論理的に生きる意味を考えだしています。
一回読んだだけでは完全には理解できない部分もあると思います。
しかし、それ故にただ気休めで言う「生きているだけで素晴らしい」よりも、断然真実味を帯びています。
僕たちの生命はみんな等しく価値がある。
当然、あなたの生命も。
この、ある意味ありきたりな言葉を、このような観点で科学的に論じたものを見たのは初めての体験でした。
4.まとめ
今回は『生きているのはなぜだろう。』という作品の紹介をさせて頂きました。
難解な所もあるかもしれませんが、考えさせられる作品であることは間違いないでしょう。
しかし、間違いなくこの作品に描かれていることは『優しさ』です。
あなたが、今人生に迷っていたり、あなたの大切な人が苦しんでいるのなら、是非この本を手にとってみてください!
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