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【せかいいちのねこ】 オンリーワンとは詰まるところ「ダメな所」という話

 

あなたはこの絵本を知っていますか?

 

 

ヒグチユウコさんの書いた『せかいいちのねこ』という絵本です。

 

 

今回はこの絵本のあらすじを説明した上で、僕が感じた事を書こうと思います。

 

 

 

 目次

1.あらすじ

2.オンリーワンとは何か?

3.まとめ

 

 

 

 

 

1.あらすじ

 

まず、主人公はニャンコです。

ニャンコと言っても、「ニャンコ」という名前のぬいぐるみの猫です。

ニャンコは、持ち主の男の子に愛されていました。

そのため、ニャンコはとても幸せでした。

 

 

しかし、ニャンコは心配な事がありました。

それは、「男の子に飽きられるんじゃないか?」ということでした。

男の子は7歳で、子供はそれぐらいからぬいぐるみに飽きだすということを聞いたことがあるのでした。

 

 

するとある時、友達のタコくんとヘビくんが

「本物の猫になればいいんだよ。そうすれば、大人も可愛がってくれるよ。」

それを聞いたニャンコは聞きました。

「どうすれば本物の猫になれるの?」

「猫のヒゲを集めるんだ。ヒゲには魔力があって、それを君の綿と一緒にするんだ。すると、本物の猫に近くなるよ。」

 

 

それを聞いたニャンコは思いました。

「ヒゲだ!本物のヒゲを手に入れよう!僕はもっと愛されてせかいいちのねこになって男の子が大きくなっても一緒にいるんだ!!!」

 

 

それから色んな猫に会います。

意地悪な猫、自分に自信のない猫、本屋の猫、旅の猫。

途中、親友のアノマロが迷子になるというアクシデントもありましたが、彼らと友達になったり、お願いを聞いたりしてヒゲを貰っていきます。

 

 

そしてニャンコはついにその時を迎えました。

体にどんどん貰ったヒゲを入れていきます。

タコくんとヘビくんもやってきてわくわくと見ています。

「猫になるかなー」

「なるよ」

 

 

とうとう全部のヒゲを入れました。

でも、みんな変な顔をしています。

そこで、ニャンコは昼寝していた家の猫の所へ行きました。

「みて!!!ヒゲパワーでねこになれたかな?」

ニャンコは猫を揺さぶって起こしました。

 

 

目を覚ました猫は驚きました。

なんと、ニャンコの体は猫達のヒゲでハリネズミのようになっていたのです。

猫は言いました。

「お前、自分の体をみてみろ。すごく気持ち悪いぞ。そのヒゲを取ったらどうだ?」

 

 

ニャンコは、猫達のプレゼントを無駄にしたくないのと、猫になりたいという思いがあるので、必死に首を横に振りました。

 

 

すると猫は言いました。

「ヒゲなんてなくても、もう沢山男の子に愛されているじゃないのか?

お前がいなくなったときは大変だったんだ。

俺たち猫は、人間より寿命が短いから大抵先にいなくなるんだ。

でも、お前はずっと一緒にいられるじゃないか。」

 

 

そう話す猫の目はとても複雑そうでした。

そしてニャンコは体からヒゲを抜き取りました。

全部取り終わると、猫はそっとニャンコを抱きしめて言いました。

 

 

「ほら、元の方がずっとかわいい。

大丈夫。お前はもう立派なせかいいちのねこだから。」

ニャンコはびっくりしていると、

「だってお前の大好きな人間にとって一番の猫だろうよ。」

 

 

ニャンコは今まで会った猫も皆がせかいいちのねこだと思いました。

ニャンコは猫から貰った大事なヒゲを宝箱にしまう事にしました。

 

 

 

 

 

2.オンリーワンとは何か?

 

 

あらすじを書いていきましたが、この話は皆が皆それぞれの悩みがあり、良い所もある。

つまり「オンリーワン」についての話をしています。

そこで、僕が考えた事は「オンリーワンとはなにか?」という事です。

 

 

もちろん、オンリーワンという言葉はよく耳にするし意味も分かります。

それぞれ良いところ、悪いところ、環境の違い等がありそのバランスであると。

そして、そのバランスが同じ人はいなくて、みんな唯一無二の存在である。

そういう事でしょう。

 

 

オンリーワンの説明はそれで良く、意味も間違ってはいないでしょう。

ですが、今回僕が考えた事はそんな上辺の話、耳障りがいい話で終わらせるものではありません。

具体的にどういうことなのか?

という話です。

 

 

例えば、今話題の話として「シンギュラリティ」という話があります。

シンギュラリティとは、AIが人間の脳を超える特異点とされており、それは2045年に訪れると言われています。

では人間がAIに勝てる要素がなくなった時、人は人に感動するのでしょうか?

なにもかも劣ってしまっている人間に感動するでしょうか?

 

 

僕はすると思います。

将棋を例に挙げます。

将棋電王戦というAIと人間が勝負する催し物があります。

そして、今ではAIの方が強いとされています。

 

 

じゃあAIの試合ばかりになるのか?

と言われると全くそうではありません。

将棋電王戦は2017年に終了しているのです。

レベルの高い試合だけが見たいと皆が思うならこうはならないはずです。

 

 

陸上競技等もそうだと思います。

100メートルの世界記録が9秒で時速40キロで走ると言われても、結局車の方が速いわけです。

しかし、人はそれに感動します。

僕もそのようなスポーツ観戦は大好きです。

 

 

そこには「人間だから」という部分があるからだと言えます。

人間なのにそこまでできるのがすごいと。

その「人間だから」というのは突き詰めれば、人間という限界がある生き物なのにという事だと思います。

つまり、僕達はダメさや弱さ、その状況を取り巻く背景があってこそ感動するのです。

 

 

ニャンコは初め、本物の猫になろうとしました。

それは「オンリーワン」ではなく、「ナンバーワン」を目指していたのです。

しかし、男の子はニャンコに他の猫よりも劣っている部分があろうとも、そんなニャンコを一番に愛しているのです。

 

 

つまり、オンリーワンとは秀でた部分に宿るものではなく、劣っている部分にこそ宿るのだろうと思いました。

短所と長所は紙一重

まさに言い得て妙と言ったところでしょう。

 

 

 

 

 

3.まとめ

 

 

今回は『せかいいちのねこ』という絵本を読んで、僕が考えた事を書きました。

 

僕の考察とは別にして、この絵本自体ものすごくいい絵本です。

子供に読み聞かせるものとしてもオススメです!

 

興味がある方は是非買ってみて下さい!

 

 

 

 

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