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満たされることは本当に良いことか? 芥川賞受賞作品『ニムロッド』

 

 

あなたはこの本を知っているでしょうか?

 

 

 

これは第160回芥川賞受賞作品の『ニムロッド』という小説です。

 

先日、この小説を読みました。

作品自体の面白さもさることながら、非常に考えさせられる作品だったなと感じました。

 

 

その考えさせられることというのは

 

「僕らは日々、満たされたいと願い生きているけれど、満たされたら本当に幸せなの?

それって“終わり”を意味するんじゃないのじゃないの?」

 

ということです。

これは、この作品のテーマでもあります。

 

 

今回は、この作品の大まかなあらすじと前述したテーマについて書いていこうと思います。

 

 

 

 

 目次

1.作品紹介

2.「満たされることは本当に良いことか?」

3.まとめ

 

 

 

 

 

 

1.作品紹介

仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。
中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。
小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。……
やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。 ……

 引用元:『ニムロッド』(上田 岳弘)|講談社BOOK倶楽部

 

 

この作品においての登場人物は主に上に書いてある3人です。

中でも、恋人の田久保紀子と、友達のニムロッドの描写が多いです。

そして、その2人は心にトラウマを抱えています。

 

 

ニムロッドは、誰にみせるわけでもない、自分のためだけに、自分の最も弱い所を書き記した小説を書く事で。

田久保紀子は、過去のトラウマを口にして吐き出す事で、自分のトラウマに決別を果たします。

 

 

その結果、満たされた彼らは主人公の前から、いや、世界から姿を消してしまうのです。

そして、ニムロッドの小説に登場する人物はこんな事を言っていたのでした。

「欲望がなくなってしまった僕はもう人間ではいられなさそうだが、ニムロッド、君はどうなんだ?

君の願いももう完璧に叶ったのではないか?

それでも君はまだ、人間でい続けることができるのかな?」

 

 

 

2.「満たされることは本当に良いことか?」

 

僕たちは日々、それぞれの目標に向かって生きています。

夢なんてないという人も、今日したいこと、時間があったらしたいこと、お金があったらしたいこと、ちゃんと深堀りすれば何かあるはずです。

 

 

そして、それらが満たされた時のことを思い出してほしいのです。

満たされた後は、それらのことに興味がなくなったのではないでしょうか?

 

 

僕も、全国一位までやり込んだゲームが昔あったのですが、目標を達成した後に、パタリとモチベーションが保てずやめたことがありましたw

燃え尽き症候群というやつでしょうね。

 

 

この作品の場合は、ニムロッドと田久保紀子は、人生の目的が満たされて生きていく必要がなくなったのでした。

とはいえ、人間、欲望に従って目標を追わないというのもまた苦痛です。

 

 

満たされても終わり、追わないのも苦痛。

ならどうしろと?

 

僕はこう思います。

 

「夢を追う『今』を楽しもう」

 

と。

 

満たされるのがいいことかは分かりません。

なぜなら、目標がなくなるのと同じことだから。

しかし、人間は欲望を一切開放しないことも不可能です。

 

ならば、満たされていない『今』にこそ、生きるモチベーションを注ぐことが最も大切なことなのだと思います。

或いは、僕達にはそれしかできないのかもしれません。

 

 

 

 

 

3.まとめ

 

今回は『ニムロッド』を通して、考えさせられたことについて書いていきました。

 

 

漫画『BLEACH』に登場する涅マユリというキャラクターの、「今まで存在した何物よりも素晴らしくあれ、だが、けして完璧であるなかれ。科学者とは常にその二律背反に苦しみ続け、更にそこに快楽を見出す生き物でなければならない。」

という言葉を思い出しましたね!

 

 

僕たちも、これまでよりも良くあるよう、しかし、完璧には満たされぬよう。

そんな風に生きていくのでしょう。

欲望がなくなれば人間ではいられないのだから。

 

 

 

 

 

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