「無数に人間が動くこの世界で、通常の人間は自分の存在の傾向やその意味など考えないが、お前は自分の存在はこんな風であることを自覚してしまっている。だから、そう動いているだけだ。自分を観察するみたいに。」
『その先の道に消える』やっぱり面白かったです！！！
見てもらえれば分かりますが、中々凄い表紙ですよね...。
ですがまあ、それは一旦置いといて！
「やっぱり」とつけたのは、僕は過去の中村文則さんの作品をいくつか読んでいるからです！
『教団X』という小説を読んでから、その世界観にハマり、僕の小説を読む習慣ができたと言っても過言ではありません！
そして、今回読んだ『その先の道に消える』もやっぱり僕の好きな作品だったというわけです。
なので、今回はこの『その先の道に消える』の作品紹介とオススメするポイントを書いていきます！
目次
1.作品紹介
2.オススメするポイント
3.まとめ
1.作品紹介
僕は今、正常だろうか?僕が求めているものは、何だろう?アパートの一室で発見されたある“緊縛師”の死体。重要な参考人として名前があがる桐田麻衣子は、刑事・富樫が惹かれていた女性だった。疑惑を逸らすため、麻衣子の指紋を偽装する富樫。全てを見破ろうとする同僚の葉山。だが事態は、思わぬ方向へと突き落とされていく。犯人は誰か。事件の背後にあるものとは、一体何なのか。やがて、ある“存在告白”が綴られた驚愕の手記が見つかり―。
引用元：https://publications.asahi.com/sonosaki/
2.オススメするポイント
・世界観が凄い
中村文則さんの作品は、全て独特の世界観があります。
何冊か読んだ人なら恐らく、作者を隠されて読んだとしても中村文則さんの作品だと分かるんじゃないかな？というほど。
特に、今回紹介している『その先の道に消える』は異様な世界観だと感じました！
僕自身、異端なものが好きなのです！
作品であれ、人間性であれ、価値観であれ。
そういう意味で中村文則さんの小説は自分の琴線にドンピシャだったわけです！
同じような方もいるのではないでしょうか？
「変わったもの」、「良い意味でも悪い意味でも振り切ったもの」が好きだという方は合うんじゃないのかなと思います！
合わない人はとことん合わないかもしれませんが！
本当にこんな作品を書けるのは中村文則さんだけだと思いますね！
・内面をえぐる問題作
読んだ後の余韻が凄いです、ホントに。
語彙力がないですけど、「マジで凄すぎて凄い」みたいな感想(笑)
中村文則さん自身が、「善と悪がひっくり返るようなものが書きたかった」というような言葉を残しています。
本当にその通りの内容！
「自分は正しいのかな？」、「自分って何なんだろう？」というような人生について考えさせれる作品です。
純文学という言葉があります。
「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いている小説のことをそう呼ぶのですが、正にこの作品がそれを体現しているようだと思いました！
上の作品紹介だけを見ると、「推理小説かな？」という予想が立つかもしれません。
しかし、過去作でもそうでしたが、中村文則さんが書いているのは『人間』なんですね。
だから推理小説が好きだから買うというのはオススメできません、ハッキリ言って。
人間の隠された暗い部分を探求したいというような、ある意味、変人な人に向いているのかなと思います！
まあだからこそ個人的には、普通の感性をもつ常識人にこそ読んでほしい感がありますが！
3.まとめ
今回は『その先の道に消える』の作品紹介とオススメするポイントを書いていきました。
ちょっとオススメポイントが少ないかな？と思ったのですが、無理にひねり出して嘘っぽくなるよりも、この作品の核の部分をギュッと濃縮してそれだけを伝える方が良いと思いました！
他の方のレビューにも目を通してみましたが、大体の方が同じような事を言ってましたしね！
ハマる人はとことんハマる作風だと思います、是非読んでみて下さい！
あわよくば、そこから中村文則さんの過去作も読んでいただければ、紹介した僕としても嬉しいです！
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