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【ネタバレなし】人生に迷う全ての人へ! 2016年本屋大賞受賞作『羊と鋼の森』

 

「もしかしたら、この道で間違っていないのかもしれない。時間がかかっても、まわり道になっても、この道を行けばいい。何もないと思っていた森で、なんでもないと思っていた風景の中に、すべてがあったのだと思う。隠されていたのでさえなく、ただ見つけられなかっただけだ。」

 

 

遅ればせながら、2016年の三冠受賞作『羊と鋼の森』読みました!

 

 
 
非常に良かったです!
浅い感想になってしまいますが、ただ一言言うなら「非常に良かった」これに尽きますね。
 
帯の本仮屋ユイカさんのコメント
「いま自分がやっていることに無駄なことはなく、全てが力になるのだと強く背中を押されました。」
そのコメントの通りの内容でした。
 
今回は『羊と鋼の森』の作品紹介とどんな人にオススメか、そして特徴的だった点をネタバレなしで紹介します。
 
 
 

 目次

1.作品紹介

2.どんな人にオススメか

3.特徴的な点

4.まとめ

 

 

 

 

1.作品紹介

 

ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。

「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」

ピアノの調律に魅せられた一人の青年。
彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。

 引用元:https://books.bunshun.jp/sp/hitsuji-hagane

 

 

 

 

 

2.どんな人にオススメか

 

これはタイトルにも書きましたが、ズバリ「人生に迷っている人」です。

 

例えば人の目が異様に気になる思春期の中高生、例えば入学したはいいものの将来の夢が特にない大学生、例えばとりあえずで就職したものの本当に自分がすることにこれでいいのかと感じている社会人。

そんな「今に疑問を抱いている人」にオススメします!

 

個人的に、映像より小説の方が胸を打たされる場面が多いと感じます。

それは、そもそも小説だからキャラクターの心理描写が多く、感情を読み取りやすいということ。

そしてもう一つ。

映像は勝手に流れていくので受動的になりやすいのに対し、小説は自分の力で読み進めていく能動的なものだからではないかと思います。

 

夢を追い、壁にぶつかり、途方に暮れ、それでも前に進む。

そんな主人公を能動的に追いかけた結果、読了後には自分も一つ壁を越えたような感情になることと思います。

 

 

 

 

 

3.特徴的な点

 

・名言の宝庫

 

この小説は2~10ページ毎に区切って場面が変わっていくのですが、毎回と言ってもいいほどに名言が出てきます。

いくつか抜粋すると、

 

モーツァルトが作曲していた頃に比べて半音近く高くなっている。感覚としては、もはや同じラの音ではない。変わらないはずの基準音が、時代とともに少しずつ高くなっていくのは、明るい音を求めるようになったからではないか。わざわざ求めるのは、きっと、それが足りないからだ。」

 

「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものと似てる何か。俺はそう思うことにしてるよ。」

 

「ほんとうは僕だって、打てば響くように、もっと敏感に反応するように調整したい。でもそれを我慢してる。響かないように、鈍く調整する。鍵盤にある程度遊びがあったほうが粗が目立たないからだよ。お客さんに合わせて、わざとあんまり鳴らないピアノに調整してるんだ。」

 

など、「うーん、なるほど。」と思わされるような言葉が多く出てきます。

次はどんな言葉が出てくるだろうとどんどん読み進めてしまう魅力があると感じました!

 

 

・オーソドックスLV100

 

この小説はハッキリ言ってスタンダードなタイプの物語です。

主人公が悩み、成長し、前に進んでいく。

どんでん返しもなく、画期的な仕掛けもなく、目新しいものはありません。

 

しかし!

その普通をものすごく高い次元でまとめているのがこの作品だと感じました。

 

無駄な描写を省き、主人公に影響を与える事柄を深く描いています。

そのスピード感ゆえに、最後まで飽きずに読み切ることが出来ます!

 

逆に新しい小説が読みたい、変わった小説が読みたいという人には向いていないかもしれません。

 

 

・感情移入が滅茶苦茶しやすい

 

上にも書いた通り、この作品を読み終わった後に主人公と同様に自分も成長できたような感覚を味わうことが出来ます。

というのも、この主人公に感情移入しやすいからだと思いますね。

では、なぜこんなに主人公に感情移入しやすいのか?

それは

 

・物語中盤まで主人公の個性がない

・主人公の心情を表す描写が多い

 

からだと考えています。

 

前者の個性がないというのは、良くも悪くも日本人に多いタイプ。

癖がなく丸い主人公はまさに日本人であり、多くの人が自分のことのように考えてしまうことでしょう。

 

また、後者も特徴的で、本当にいつもいつも主人公は考え事をしています。

それが次第に伝染して、「自分ならどうするだろう?」、「自分ならどう考えるだろう?」と、いつのまにか読んでいる自分自身も考え事をするようになります。

 

なので、主人公の成長とリンクして自分自身も成長する感覚を感じることができるのでしょうね!

 

 

 

 

 

4.まとめ

 

今回は『羊と鋼の森』について紹介していきました。

 

史上初の三冠というのにふさわしい良作だと感じました!

自分自身、かなり好きな作風だったので、著者の宮下奈都さんの過去作も読んでみようと思います!

 

気になった方は読んでみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

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