あなたはデール・カーネギーという人物を知っていますか?
彼は対人コミュニケーションのスペシャリストで、彼が設立したデール・カーネギー研究所は90か国で累計900万人の受講生を集めました。
彼にはひとつの信念がありました。
それは
自己の行動を変えることにより、他者の行動を変えることができる
ということ。
「他所は他所。うちはうち。」
と自分だけで完結するような考え方を教育されてきた方も多いと思います。
もちろんその考え方も当然悪くはないです。
結局大事なのは自分の気持ちですし、人それぞれ大切にするものは違いますから。
とはいえ、少し考えれば自分の行動が周りに影響を及ぼすということも分かるハズです。
自分が不機嫌な態度を取れば、周りもそれに合わせてピリピリしていったというような経験は誰しも1度はあるのではないでしょうか。
ここで重要なことは考え方の矯正をするべきだということではありません。
自分の行動を変えれば、望んだ状況を引き寄せる可能性を上げられるということです。
ということで今回はデール・カーネギーの実践したコミュニケーションの基本的なテクニックを10個紹介します!
あなたの人生に少しでも良い影響を与えられたら幸いです。
また、この記事は弓場隆さん訳の『超訳 カーネギー 人を動かす』を元に書いています。
紹介しているテクニックはこの本に書かれていることの一部なので、気になる方は是非買って読んでみてください!
- 1.協力したくなるように働きかける
- 2.間違いを認めさせようとしない
- 3.人間は感情的な生き物だ
- 4.絶対に悪口は言わず、長所だけを指摘する
- 5.相手の気持ちを理解する
- 6.完璧な人は存在しない
- 7.誰もが「自分は悪くない」と思っている
- 8.他人の欠点より先に自分の欠点を直す
- 9.人をうまく動かす唯一の方法
- 10.お世辞は通用しない
1.協力したくなるように働きかける
2.間違いを認めさせようとしない
自分は正論を言っているのに、相手が一向に認めない。
なんなら無茶苦茶な理論を引っ張ってきて逆ギレされた、というような経験はないでしょうか?
いくら議論をして相手に間違いを認めさせようとしてもほとんどの場合、徒労に終わります。
相手は自尊心を傷つけられるから、意固地になって自分の間違いを認めないのです。
相手の間違いを指摘すると自分の自尊心は満たされますが 、そんなことで相手が喜ぶとは思わないようにしましょう!
相手が喜ぶ姿勢は「なるほど」と理解してあげることです。
3.人間は感情的な生き物だ
あなたは他の人に対して「あの人は気分屋なところがある」と思ったことはないでしょうか?
その感覚は間違っていません。
ですが、覚えておいてほしいことはあなたを含めてみんな「気分屋なところがある」ということです。
どんなに論理的に考えているような人でも最後は感情で判断します。
なぜなら、論理的に考えて感情的に行動するのが人間の本質だからです。
それを理解しておいてください!
4.絶対に悪口は言わず、長所だけを指摘する
かのベンジャミン・フランクリンは若いころ機転があまりききませんでした。
当初、彼は印刷工でしたが年をとるにつれ人と接するのが上手になり、やがて外交官として活躍するようになりました。
彼によると、成功の秘訣は誰の悪口も言わず、すべての人の長所だけを指摘することだそうです。
人は批判されると気分を害してやる気をなくしてしまいますが、逆に褒められると気分を良くしてやる気を起こします。
人を動かしたいなら長所を指摘して意欲を高め、行動を起こしたいという気持ちにさせることが大切です!
5.相手の気持ちを理解する
「相手の気持ちを理解する」というのはこれまで何度も聴いたことがあるフレーズだと思います。
しかし、これほどやり方が曖昧でフワッとした言い回しはありませんよね。
「だから人の気持ちを理解するにはどうすんねん!?」と。
ですから、ここでは相手の気持ちを理解するための2つのステップを紹介します。
1つは自分と違う意見に出くわした時、真っ先に否定をしないことです。
そしてなぜそのような意見になったのかを考えることです。
また、質問をすることも相手の考え方を知るのに有効な手段です。
「家庭環境が特殊なものである」とか「友人に破天荒な人がいる」とか、そのような状況を知れば自分と意見が全く違うことも納得しやすいハズです。
そしてそのための重要な心構えが2つ目のステップです。
それは「冷静に自分を自制する」ということです。
大変多くの人が自分と違う意見をぶつけられたとき「自分を否定された」と思ってしまいます。
自分が正しいと思ってる価値観の逆ということはこの人は敵だ、というわけです。
ですが、そう思ってしまっては相手と友好的な関係を築ける可能性は皆無です。
だって、自分が相手を拒否してしまっているのですから。
ですので、こういう場合は「自分とは全く考え方が違うけど、この人はこの人の考え方あるだけ」と自分を諭して相手への敵対心を鎮めることが大切です。
この2つを意識して相手を理解することを心掛けましょう!
そのほうが批判するよりはるかに有益だし、自分の中に同情と寛容と親切心を育むことができます。
6.完璧な人は存在しない
この世に完璧な人は存在しません。
だから、他人の粗探しをしようと思えばいくらでもできます。
例えば、周りに合わせる人に対して良く言えば「優しい」
悪く言えば「自分の意見がない」というような感じです。
なんでも悪く言おうと思えば言えてしまうのです。
しかし、そんなことをして他人を裁いたところで、いったいどんな利益が得られるのでしょうか?
7.誰もが「自分は悪くない」と思っている
実は犯罪者の中で自分が悪人だと思っている者はほとんどいないのだといいます。
犯罪者は自分を一般人と同じ善良な市民だと考え、「あの状況ではそうせざるをえなかった」と釈明するのです。
残虐な罪を犯して収監されている凶悪犯ですら自分は悪くないと主張するのだから、世間一般の人はもっとそう思っているハズですね!
8.他人の欠点より先に自分の欠点を直す
あなたは他人の欠点を直してその人がよりよい人物になるように変えてあげたいと思ったことがあるかもしれません。
しかし、これまでも書いた通り相手の欠点を直すことよりも、自分の欠点を直してよりよい人物になることを目指した方が結果的に良い状況が引き寄せられます。
孔子も
「自分の家の玄関が汚れているのに、隣家の屋根に積もっている雪に難癖をつけるな」
と諭しています。
9.人をうまく動かす唯一の方法
人をうまく動かす唯一の方法は、相手が求めているものを与えることです。
では、それは一体何なのか?
20世紀最高の心理学者の一人であるフロイトによると、人間の行動にはふたつの動機があるといいます。
それは性欲の充足と偉大な人物になりたいという欲求です。
また、アメリカの思想家ジョン・デューイは少し違った表現を使いました。
「人間の最も強い衝動は、重要人物になりたいという欲求だ」
というのです。
誰もが重要人物として扱われたいという欲求を持っています。
だから、相手のそういう欲求を満たすことが人を動かす秘訣なのです。
10.お世辞は通用しない
他人を意識して褒めようとした人にありがちなのが、
「お世辞を言ったがうまくいかなかった。特に相手が利口な人には通用しなかった。」
となることです。
他人を褒めることとお世辞を言うことは全く違います。
その違いはなにか?
それは単純明快で
・一方は誠実で、他方は不誠実
・一方は心がこもっていて、他方は口先だけ
・一方は利他的で、他方は利己的
ということです。
つまり、相手のためを思っている褒め言葉か自分のためを思っているお世辞か、ということです。
このようなお世辞は言っても特にならないどころか、相手を嫌な気持ちにさせます。
相手を褒めることはコミュニケーションにおいて大事なことですが、本当に自分が思ったことを口に出すようにしましょう!